龍は雲を呼び雨を降らす(中国古典)東洋哲学
確乎不抜(かっこふばつ)という言葉を知ってますか?
「信念や意志がしっかりしていて、物事に動じないこと」です。
確乎…信念などがしっかりしたさま。確かなさま。
不抜…固くて抜けない意から、動かないこと、くじけないこと。
(確乎は確固とも書きます)
龍の成長の物語(志の達成までの変化の過程)
夢を叶えるにはどうすればいいのか?
「易経」は哲学が含まれてるから、おすすめ!!と教えてもらいました。
これ読んでみて!!と貸してもらった本なのですが、めっちゃ良かったです!!
龍が6段階に変化していく物語を通して、易経の説くリーダーの条件・成長の王道を語っているとともに「栄枯盛衰の道理」も教えています。
六龍(6つのプロセス)乾為天の卦
この六つの過程は朝昼晩、春夏秋冬の変化過程と同じであり「大願成就」の天の軌道である。
その時その時に応じた働きがあり、その力を使いこなし大いなる働きを成していくのです。
第一段階「潜龍」…志を打ち立てる
地中深く暗い淵に潜み隠れている龍です。
まだ世の中に認められるような力もなく、地に潜んで志を培うときです。
第二段階「見龍」…師となる人物に見習う
明るい地上に現われ、目がみえるようになります。
修養のはじめとして、師を見習って物事の基本を学びます。
第三段階「乾惕」…失敗に学び日進月歩する
毎日、同じことを繰り返して修養に励みます。
技と応用を見に付け、日進月歩の成長をする時です。
第四段階「躍龍」…飛躍の機をとらえる
修養を極め、リーダーになる一歩手前の段階です。
独自性を持って、今まさに大空へ昇ろうと躍りあがります。
第五段階「飛龍」…天を翔け、雲を呼び、雨を降らす
リーダーとしての能力を発揮して、志を達成します。
第六段階「亢龍」…驕り高ぶる龍の顛末
高みに昇り過ぎた龍は、やがて力が衰えて、降り龍になります
易経の本文に出てくる龍の名前は「潜龍」「見龍」「飛龍」「亢龍」の4つ。
三番目の「乾惕」と四番目の「躍龍」は、わかりやすくするために本文に書いてある言葉にちなんで、あらわしたもの。
易経の説くリーダーの条件
①確乎不抜の志を打ち立てること
②人としての基本的姿勢を身につけること
③努力向上と反省を習慣化すること
④時を見極め、兆しを察することを試みる
⑤人の意見を聞く耳を持つこと
この五つの条件を順を追って実践で身につけること!!
こどもと読む東洋哲学(シリーズの本)
これを子供向けの本だと思って読まないのは、もったいない!!
表紙は可愛らしいですが、中身のイラストは挿絵程度で文章ばっかりです(漫画ではありません…笑)
夢ではなく「志」を持つ。
良い時も悪い時も、反省を繰り返して成長をする。
龍は雲を呼んで雨を降らせるので、1人(1匹)だけで高く飛びすぎると、やがて落ちていく。
すごい内容の本ですよね!!(これを読む子供がいると思うと、おそろしい…)
大人の「易経入門の本」として、分かりやすいのでおすすめです!!
最後の部分は、ギリシャ神話の「イカロスの翼」の教訓を思い出しました。
この龍のお話は易経の六四卦「乾為天」というものです。