痛いのは怖い。苦しまずに、眠るように逝きたい
痛みというのは身体や心など、いくつかの種類があるし、個人差もある。
自宅での平穏死は、それほど痛くはなさそう。
苦痛に歪んだ顔をして旅立たれた人を、医師で著者の長尾和宏さんは見たことがないらしいです。
日本では違法。犯罪になる安楽死
「安楽死」
人生の最終章に近づいた時に、本人が望んだ場合、医師が処方した薬物によって、死期を意図的に早めること
(日本では違法なので犯罪になります)
「尊厳死」
不治かつ末期の状態において、本人が望んだ場合、不要な延命治療をせずに、自然な最期を迎えること。リビングウィル。
(日本では法律がありません)
平穏死が一番痛くない(苦痛が少なく長生きする)
平穏死…枯れて死ぬこと
延命死…溺れて死ぬこと
葬儀屋さんが言うには「自宅で平穏死した方のご遺体は軽い。でも、大学病院で亡くなられた方のご遺体はずっしり重い」
10kg以上の体重差があるみたいです。
これはどういう意味だか、わかりますか?
延命治療とは何か?
「不治かつ末期となった患者さんに対して行う医療処置」
3大延命治療
人工栄養(胃ろうや高カロリー輸液など)
人工呼吸
人工透析
胃ろうを造る前に考えたいこと
その人は胃ろうを造ることで、全身状態が回復する可能性がどのくらいあるのか?
その人は口から本人に食べられないのか?
手づかみで食べることは出来ないか?
そもそもその選択は、本当に本人の意思か?
嚥下リハビリや口腔ケアをしっかりやっていますか?
胸水、腹水は抜かずに利尿材で待つほうが苦痛がない
胸水、腹水はただのお水ではありません。
多くの場合、おおよそ血漿成分であり、生命維持に必要なアルブミンなどの蛋白質がたくさん含まれています。
針でお腹から抜くのではなく、経口や注射の利尿材を使って、オシッコとして出させるのです。
そもそも胸水や腹水が溜まるのには、必ず理由があります。
水分を体内に溜めることで、崩れかけた身体のバランスを保って、なんとか生き延びようとしているのです。
痛くない死に方、それには「待つこと」が終末期以降では重要となります。
救急車を呼ぶということは…
救急車を呼ぶということは、蘇生措置をお願いすること。
蘇生に成功したら延命処置に移るかもしれません。
「命は助かっても、寝たきり植物状態」
食べることも会話することも出来なくなる可能性もあります。
本人の希望は叶わない?
「私は自然にポックリ、痛みに苦しむことなく逝きたい」
と本人が望んでいても「やれる延命治療は全部やってほしい。何がなんでも命を助けてほしい」と家族が生かそうとすれば、希望は叶いません…
愛とエゴイズムは紙一重なのです
日本国憲法第十三条(幸福追求権)
全ての国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
痛みには4種類ある
「肉体的痛み」
日常に感じる身体的な痛みのこと。日常生活に支障を来します。
「精神的痛み」
不安感や恐怖感、怒りやうつ状態などの、心の痛み。
「社会的痛み」
病気のために仕事を失い、経済的に苦しくなったり、社会や友人と縁が切れたりすることによる痛み。
「魂の痛み(スピリチュアルペイン)」
精神的痛みより深い、私の人生は何だったのか?といった意味への問いかけや死生観への懊悩から来る痛み。
この4つの痛みを全人的苦痛(トータルペイン)と言います。
平穏死を望んでいても簡単には出来ない
・看取りの実績がある在宅医(かかりつけ医)を探す
・あらかじめ死後について話し合う
・平穏死させてくれる施設、病院を選ぶ
・リビングウィル、意思表示をする(尊厳死の宣言書)
・モルヒネ、緩和医療を選択する
「事前の準備」と「家族の同意」がないと、本人の意思に反して延命治療をされてしまいます。
平穏死をしたくても、現実にはなかなか出来ないみたいです…
日本での安楽死は認められていませんし、この国では無理だろうな…と感じています。
延命治療はしないと意思表示をしておくこと、残される家族と普段から死について話し合いをしておくことが重要だと思います。
尊厳死の宣言書を用意しておくといいでしょう。
人は誰でも必ず死にます。
それは、ずっと先かも知れないし、明日かも知れません。
schizoid-personality.hatenablog.com